WEBテキスト&動画ガイド
最初が肝心、クラウド会計導入マニュアル
【1】クラウド会計ソフトのアカウント登録をしましょう
【2】有料版(標準プラン)への登録は完了していますか?
【3】「ユーザー設定」「事務所(基本情報)の設定」は完了していますか?
【4】開始残高の登録をしましょう
【5】メンバー招待・管理をしましょう
【6】タグ(取引先・品目・メモタグ)機能を活用しましょう
【7】部門機能を活用しましょう
【8】「勘定科目の設定」や「税区分の設定」は基本そのままでOK
【概要】
今回のテーマは「クラウド会計(freee)の導入・初期設定」です。
このマスター講座を受講されている方の中には、すでに「freee(会計フリー)」を導入・使用されている方もいらっしゃると思いますが、
この導入・初期設定が間違いなくされているかが、大変重要なポイントですので、1つ1つ再チェックするように確認をしてください。
【1】クラウド会計ソフトのアカウント登録をしましょう
(パスワードのメモをお忘れなく)
まずは、無料のアカウント登録をします。
その後に必ず「メールアドレス」と「パスワード」のメモを忘れずに。
よくあるケースで、クラウド会計のIDとパスワードを忘れてシステムに入れず、そのまま会計も手つかずになってしまうパターンです。
ご自分の覚えやすいアナログな物(手帳など)にメモしておくことをお勧めします。
もしもパスワードを忘れてしまった場合でも、登録したメールアドレスさえわかっていたらログイン画面の「パスワードを忘れたら」からパスワードの再確認ができます。
【2】有料版(標準プラン)への登録は完了していますか?
会計freeeは最初無料で登録ができますが、無償版のままだと一定期間(原則1か月)経過したデータは削除されてしまいます。
事業で使われる方は、必ず早めに有料版への登録をしてください。
月賦支払いと年次支払いの選択ができ、年次の方が約1か月分お得です。有料版への登録にはクレジットカード(デビットカードも可)が必要です。
【3】「ユーザー設定」「事務所(基本情報)の設定」は完了していますか?
ここからが更に肝心なポイントです。
会計freeeでは、上部メニューの「設定」から「ユーザー設定」「事務所の登録」で初期設定を行います。
ここが違ってしまうと、大前提が変わってしまうので注意が必要です。
ここでは特に間違いやすかったり、わかりにくい「事務所の登録」の詳細の中からポイントの解説をします。
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「表示名」:任意の名称でよいので、社名・屋号が長い場合は省略でも可
「業 種」:リストの中から該当の業種を選択
「製造業向け機能」:製造原価計算がない場合は(使用しない)のまま
「不動産所得使用区分」:不動産所得がない場合は(使用しない)のまま
「正式名称」:社名・屋号の正式名称を入れます
「Email」:このアドレスにレポートも届くので常時使うもの良い
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「消費税課税方式」:
課税期間の基準期間(前々年)における課税売上1000万円以下は免税
(国税庁HP参照:http://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6501.htm)
(課税事業者の場合は簡易課税・本則課税選択)
「簡易課税用事業区分」:第一種~第五種で選択
「消費税経理処理方法」:一般的には(税込経理)
「消費税端数処理方法」:一般的には(切り捨て)
「減価償却端数処理方法」:一般的には(切り上げ)
※消費税の課税事業者になった場合の初期設定は、税理士に相談されることをお勧めします。
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「マイナスの表示方法」:- or △(好みで)
「ロゴ」:ロゴの画像ファイルを登録
「社印」:印影の画像ファイルを登録
【4】開始残高の登録をしましょう
この開始残高の登録も非常に重要です。
会計freeeでは、わかりやすく以下の2つのアイコンから選択して設定します。
<今年度が初年度の場合>
開始時の資産を登録
<前年度からの続きの場合>
前年度の決算書(貸借対照表)から転記
【5】メンバー招待・管理をしましょう
会計データの内容を共有したいメンバーを管理します。
複数で事業をされている方や、会計担当が別にいらっしゃる場合に、それぞれの方がいつでもどこでも把握できる点で、クラウド会計ならではの利点といえます。
トータルで3名までは標準プラン範囲で、追加1名ごとに300円追加料金が必要です。
メンバー追加するときは「権限」の設定にご注意ください必要に応じて、
「管理者=全ての取引登録・修正・閲覧が可能(管理者・顧問用)」
「一 般=取引登録・各種設定が可能(経理担当者用)」
「取引登録のみ=取引登録のみが可能(一般社員用)」
「閲覧のみ=閲覧のみが可能(経理作業をしない閲覧者・経営者)」
【6】タグ(取引先・品目・メモ)機能を活用しよう
会計freeeでは「補助科目」を使いません。
ここが会計知識のある方には、分かりにくいポイントなのですが、その代わりに、タグを上手に使うことで、自由にマトリックス状に分析することができます。
タグには「部門」の他、「取引先」「品目」「メモタグ」があり、それらを工夫して使うことで、より多様な分析ができます。
特に「取引先」「品目」はすべての仕訳に登録されることをお勧めします。
その理由は、会計freeeを活用するにあたり、「分析レポート」機能が非常に有効で、そのレポートが「取引先」「品目」を使用するからです。
少しの手間で、非常に有効な分析ができますので、是非この機能をご活用ください。
【7】部門機能を活用しましょう
会計freeeでは、さらに「部門」タグ設定が可能です。
「部門」とは事業ごとに、売上や費用を分類して、それぞれの損益を確認するための区分です。
部門設定をする際の注意点は、あまり細かく区分せずに、例えば「物販部門」「セミナー部門」「コンサル部門」などのように事業を大きな視点でみて、売上や経費の流れが異なる事業ごとに部門設定をすることがコツです。
また一般社団法人・財団法人などで使用する際は、「営利事業」「非営利事業」とで分けるのに利用できます。
最初から、それぞれの用途にあった部門構造を考えて、設定していくことが大切です。
【8】「勘定科目の設定」や「税区分の設定」は基本そのままでOK
freeeは会計(簿記)の知識のない方でも簡単に経理処理ができるように設計されていますので、基本的にデフォルト(初期設定)のままで良く、難しい設定は必要ありません。
ただ、いくつか運用にあたってのコツがありますので紹介します。
1)初期設定では「研修費」がないので追加する
起業家・個人事業主の方は、ご自分の勉強や人脈づくりのために、頻繁に研修やイベントに参加する機会が多いと思いますが、freeeでは初期設定では「研修費」がありません。
必要な場合は「設定」「勘定科目の設定」から「新しい勘定科目を登録」します。
名前:研修費(研究開発費でも可)
勘定科目のカテゴリー:経費
表示名(決算書):その他経費
税区分:課税仕入
2)「取引の登録」で検索できる勘定科目を追加する
freeeでは「取引の登録」で選べる勘定科目が限定されています。(これも難しい勘定科目は使わなくていいように簡素化されてます)
ただ、勘定科目を新たに追加した場合や、「仮受金」や「売掛金」など追加で選択が必要な勘定科目がある場合は、検索できるように設定する必要があります。(勘定科目の一覧の「検索」にチェックが入っている項目だけが選択可能)
(検索項目に入れる方法)
該当の勘定科目の「編集」をクリックし
「検索での表示」にチェックを入れて保存
以上で、基本的な「導入&初期設定」は完了です。
クラウド会計のアドバイザーをしていて、このパートはよく質問や確認をされる項目です。
上記の内容で、基本的なことはほぼ網羅していますが、分からない点がありましたら、freeeのチャット相談がお勧めです。相談可能時間は限られていますが、フリーダイヤルのように電話が混雑して、つながらないということも無く、すぐに問題を解決することができます。(freee画面の右下からチャット相談可能です)
それでは、第3回に進みます。